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西日本入国管理センターの処遇と問題点(2004年12月)

このデータは、在日難民との共生ネットワーRAFIQをはじめとする、入管問題や収容者の支援を長年続けている個人・団体がまとめたものを、「現状」(左)、「問題点」(右)として整理してみました。
編集責任は私、Carlanにあります。間違いがあれば、教えていただければ幸いです。
なお、このデータはあくまでも2004年12月現在のものです。
それ以降の変更についてはこの表には反映されません。ご了解くださいませ。

※注目していただきたいのは、改善されている項目があるということです。
※これらの改善は被収容者の声が直接届いたのではなく、家族や弁護士、支援者らが声を届け、運動したことから改善されたものがほとんどだということです。

1.収容施設

各ブロック、各居室

・Aブロック(男性:定員65人)
 9部屋(中部屋1、単独室3、大部屋5)
・Bブロック(男性:定員87人)
 11部屋(中部屋1、単独室3、大部屋7)
・Cブロック(男性)
・Dブロック(女性)

  • 各プロックの部屋は、単独室中部屋大部屋に分かれ、各部屋には洗面所と洋式のトイレがある。畳みはビニール製の畳み。六角形の鉄格子が部屋の入り口側と反対側の上半分を覆っている。洗面所は、ステンレス製の洗面所、蛇口。洋式トイレ。入り口から左右の壁に各自の荷物などを置く木造の棚がある。
  • A、Bブロックにある職員見張り室の正面の単独室以外の部屋には、テレビが設置されている。2001年7月ごろまで単独室にテレビはなかった。2002年8月末からテレビのリモコンを各居室に貸与。それまではチャンネルの選択権はなかった。
  • 単独室は2003年7月から「共同部屋での収容に適さない」と入管が判断した被収容者を隔離収容する専用室とした。運動やシャワー、面会は単独で行われ、ブロック単位の解放処遇もされず、他の被収容者と一切接触させない隔離収容。被収容者本人の希望により単独室を居室とすることを認めている。
  • ひとり1畳のスペース
  • 個人の鍵つきロッカーがない。
  • 掃除は被収容者自身がする。消毒は行なわれていない。夏は疥癬やのみ・ダニなどの皮膚病が蔓延する。
  • 一日のうち、6時間程度しか居室の外に出ることができない。
  • 国・風習・文化などに全く配慮のない収容により、同室者との問題が起こることが多い。
  • 単独室は隔離収容。性同一障害の被収容者は強制的に入れられ、「恣意的な無制限長期隔離」(違法隔離)が可能な体制になっている。

懲罰房(入管は「保護房」と呼ぶ)

  • A、Bブロックの見張り職員室の近くに3部屋。
  • 約3畳の広さで、窓はなく、ドアの横下に食事の差し入れ口。
  • 電気、水道水の供給は見張り室の職員がする。
  • 壁はクッション性のあるもの。
  • 天井に監視カメラ。
  • ドアには職員用ののぞき窓。
  • トイレは和式(穴だけに近い)。
  • 逃亡を図る、自殺行為(未遂)、職員の指示に従わないなどの時に使用されるが、制圧時にけがをする人や、暴力をふるわれる人がある。また、手錠をされて1時間以上放置されたりして、体の自由を極端に制限される。
  • 使用時の記録が入管に都合よくされている。
  • トイレの水が自分で流せない。
  • 常にカメラで監視されている。
  • 窓がなく暗い。
  • 空調設備が機能しておらず、暑い、寒いと証言する人が多い。
  • 自殺行為(未遂)した人を、そのまま懲罰房に入れられ、数時間〜数日監禁され、すぐに医者に見せていない。

運動施設ほか

  • 運動施設は、四方は壁。上は金属の網で囲まれている。人工芝。外気は吸えるが、空しか見えない。
  • 各ブロック内に娯楽室(通称ホール)。折畳式の卓球台が一台設置。ホールの中は居室から見えにくく、入管は以前、「説教」部屋(暴行部屋)としても使用していた。
  • 屋上で、土に触れることがない。
  • 空しか見えない。

入浴

  • 基本的にシャワー室。
  • Aブロックに7人用シャワー室1。
  • Bブロックに7人用シャワー室1、2人用シャワー室1。(シャワー数は増設中)
 

診療施設

  • 設備は血圧計と心電図くらい。基本は内科医の常勤医師1人、看護士1人。
  • 土・日、夜間は常勤医が不在。この間に訴えても、職員が判断して「我慢しろ」「大丈夫だ」などと言われたり、違う薬を渡される被収容者が多い。職員には医療知識がなく、医療法違反の疑いがある。
  • 自殺未遂等を行った被収容者に対しても、医者の判断なく、懲罰房に監禁したり、長時間放置していたりする。
  • 月2回精神科医のカウンセラーが来ているが、被収容者に説明していない。

2. 処遇

日課

起床 7:00
清掃 7:30
朝食 8:00
点呼 8:30
昼食 11:30
夕食 16:30
点呼 17:00
就寝 22:00
  • 夕食の時間が早すぎる。

食事

  • 和式用テーブルを使い、座って食事。
  • 赤いプラスチックの弁当箱で、おかずと米飯は別の箱。
  • 朝食 パン8枚切り2枚、冷たい牛乳(200cc、紙パック入り)ジャム(オレンジ、ピーナツ、イチゴ、チョコレートの日替わりサイクル)。
  • 昼食 主食が米飯かパン。みそ汁はお湯を注ぐもの。
  • 夕食 同上。
  • カロリー計算 入管は計算しているというが?
  • 治療食 減塩食、低カロリー食等を支給しているというが、分からない。
  • 昼食の副食量 コンビニ弁当の副食量の半分以下。
  • 夕食の原価 試算で100円ぐらい。
  • 各地の入管などから移送されてきたが被収容者のすべてが、西日本のおかずは少なく、粗末でまずいと訴える。
  • 弁当の中身を廊下に放り投げる事件はたびたび起きている。
  • 揚げ物が多くて野菜が少なく、便秘になりやすい。
  • 外国人に向けた食事内容ではなく、日本食が中心。宗教上、牛肉や豚肉は抜いていると入管は言うが、被収容者からは「豚肉が入っていた」との報告あり。調味料までこだわって豚肉を排除しているふうではない。
  • ハンスト決行者に対しても、おもゆを出すなど特に対応した食事を出していない。(普通の食事を普通に)「食べろ」とばかり言う。

開放処遇(ブロック開放)―各居室の鍵を開けること―

  • 現在は平日、1日6時間。
  • 2002年9月から週3回、1回2時間。
  • 2002年3月まで 週2回、1回30分。同年8月まで1回1時間に延長された。
  • 1998年ごろはブロック開放なし。
  • 99年ごろまで、シャワー・運動などで1週間約90分、梅雨の頃は約1ヶ月近くシャワー時間以外、居室に拘禁。
  • 現在は運動やシャワー時間も含めて、居室から出られる時間は週約30時間となるが、それ以外は居室拘禁。
 

寝具

  • 入所時、ウールの毛布5枚、枕と枕カバー、シーツ1枚、ふとんカバーを支給。
  • 5枚以上(冬場とか)は、職員に申請して支給。
  • シーツ、枕カバーは土・日に職員に洗濯を依頼(洗剤は自分もち)。
  • 毛布の取替えは、申請する。
  • 敷布団ではなく、敷毛布なので、十分に寝ることができない。
  • ベッドではない。

入浴

  • ブロック開放と連動している。
  • ブロック開放の時間内なら入浴は自由。
 

運動

  • 壁と網で囲まれた人工芝の運動場。
  • 戸外運動は月〜金、1回45分。
  • ブロックごと。
  • バレーボールなどボールが数個。
  • ホール(娯楽室)には、卓球台1台、ラケット4つ、ピンポン球2つ、及びフリスビー。
  • 被収容者が多い場合など、運動時間が15〜20分に削られることがある。
  • 雨の日は運動がなくなる。
  • 運動靴を使うことが許されないので、スリッパや裸足でサッカーなどをしてけがをする被収容者が多い。

通信

  • 手紙と電話。
  • 2001年5月まで弁護士との連絡や、帰国準備のための家族などとの連絡以外の電話使用は禁止だった。家族との通信は手紙でするように指示された。
  • 2003年7月より、各ブロックのホールに公衆電話が3台設置され、公衆電話を使用して自由に通信できるようになった。
  • 通信(送受信、差し入れも含めて)はすべてコピーが取られる。
  • 電話は安価なNTTのテレホンカードではなくて、高価なKDDIのテレホンカード(入管の売店でしか入手できない)。
  • 公衆電話は入管により「盗聴」されている。

診療・衛生

  • 石鹸、洗剤は被収容者が購入。無料で使えるトイレの漂白剤を洗濯に使っている人もいる。
  • 散髪は被収容者。
  • 外部診療を希望しても、かなかな受けることができない。
  • 外部診療時には「手錠、捕縄」が使われ、一般の人の目にさらされる。この扱いがいやで、外部診療を拒む人も多い。これは「拷問防止条約」違反。
  • 拘禁ノイローゼなど、精神的な疾患にかかる人が多い。
  • 女性特有・精神病患者・自殺未遂者・拘禁施設特有などの「入管だからこそ起きる事態・病気」について対応できる医療体制、対策が講じられていない。
  • 髭剃りは数台。使いまわし。

3. 面会、その他

面会

  • 面会時間は平日、午前9時から午後5時まで。原則的に公務員就業時間に準じている。(祝祭日は面会なし)
  • 面会受付時間は、午前9時から12時までと、午後1時から4時半まで。
  • 1回の面会時間は原則30分。
  • 1日に1回の受付(1回で何人もの面会はできる。順番もある程度は指定できることもある)。
  • 面会は決められたところでしかできない。
  • 面会受付で身分証明書の提示をしなければならない。
  • 差し入れは面会受付にて職員が受け付ける。面会時に直接はできない。
  • 差し入れ品目は55品目で、被収容者の安全を考えるため、かなり制限される。
  • 被収容者が面会時に提示した書類を面会者に渡すときも職員が受け付ける(書面はコピーされる)。
  • 面会の「30分」がかなり短いときがあり、説明されない場合が多い。
  • 面会時の職員の立会いがある(東日本収容センターでは、ない)。
  • 差し入れの制限が多すぎる(生もの、果物の一部、野菜は全面的にだめ。缶に入った飲み物も。ボールペンを差し入れようとして断られた。ウォークマンなど1人で音楽を楽しむこともできない。書籍やノート類はできる)。
  • 土日に面会ができない。平日働いている人は面会できない。被収容者も土日の面会がないので、不安が募る。
  • 他の収容者個人についての情報を面会時にやり取りできないようになった。
  • 懲罰房にいる人の面会ができない。

その他(おもに訪問時や面会時に感じたことや、面会で確認されたことなど)

 
  • 長期収容者に対しての精神的・肉体的なサポートがなされていない。入管は「速やかに強制退去をするための施設」であるため、強制退去できない人については、仮放免等を講じなければならず、短期収容しか想定されていないのにもかかわらず、長期収容されている。
  • 多用な言語表示はなく、基本的に日本語、英語である(それに加え、中国語、ハングルの表示が出るようにはなった)。しかし、口頭の説明などには基本的に英語、日本語である。同室の外国人の会話も日本語が共通語となっている。日本語、英語も解せない人もいる。
  • 入管のシステムについて、事前の説明が当事者に説明されていない。「不服申し立て制度」「カウンセラーの受診」などを被収容者のほとんどは知らない。
  • あらゆる問題について、被収容者・家族・支援者に説明が不十分である。仮放免不認可を出し、「その理由は、ない」という説明だけで終わっていたりする(説明になっていない)。不服申し立て等についても、事実を調べたりせず、「事実でない」と最初に言う。

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